深夜週報

日々の生活と読んだ本のこととか

9月に読んだ本のこと

9月に読んだ本の感想です。

ちゃんと読み終わったのは3冊。

週末だけだとなかなか読書時間の確保が難しい…。

 


f:id:day20am:20231001004731j:image

〇 「レイチェル」ダフネ・デュ・モーリア

 レベッカが面白かったので、こちらも読みました。あとはまだ読み終わってませんが短編集の「人形」もちょこちょこと読み進めています。

 モーリアの作品は本当に物語のまとめ方がうまいというか、終わり方が美しいんですよね。

 本作も、これって…本当はどうなんだ?という真実がわからない部分があるのに、結末はすっきりとした読み口。

 レベッカとはまた違った、不穏で魅力のあるレイチェル、素敵でした。

 


f:id:day20am:20231001004748j:image

〇 「歪み真珠」 山尾悠子

 国書刊行会刊行の山尾裕子作品はほんとに装丁が美しいです。

 どうしても単行本で欲しくて、でもネットでは在庫がなく偶然県内の大きな書店で見つけて手に入れることができました。

 箱の色も布張りの生地も作品の雰囲気に合っていて素晴らしい装丁です。

 掌篇小説ながらどれも重厚な美しさで、短い文章でもかなり読み応えがあります。山尾悠子の作品はどれも絵画的なイメージを彷彿とさせる話が多くて、読む美術館といった所感です。

 


f:id:day20am:20231001004802j:image

〇 「アサイラム・ピース」アンナ・カヴァン

 温度を感じさせない美しい文章で、不穏、諦観、閉塞感に溢れた作品たちの短編集。無機質な世界観のなかに、鳥や植物などのささやかな自然の情景が印象的。読んでいると心がざわつく文章なのに、不思議と自分が必要としていたものを突き付けられた感覚。一部の人は必ず惹きつけられてしまうだろうなといった作品でした。

 ところどころ、あまりにも思い当たる文章があってうめき声をあげたくなる部分もありました。

 折に触れて、読み返さなければならないと思う一冊です。

 「氷」も注文しました。

 

10月は4冊くらいは読みたいですね。ひとまず「荊の城」と「最後の三角形」は読みたいです。